英語はいつから学ばせる?元教師が自分の子どもに英語を習わせるとしたらどうするか!?

家庭教育のすすめ

「自分の子どもは、将来英語を話すことができるようになってほしい!」「小学校で英語が始まったけれど、英会話に通わせる必要はある?」「これからも、英語は必要?」

上記のような声、疑問は、英語教育の恒久のテーマです。

公立小学校での英語教育が始まったことで、改めて幼少期、児童期の英語教育が見直されてきています。そして、様々な情報やスクールの多様性により、「英語教育の何が正解か」が分からなくなってきているのではないかと思います。

筆者は、2~5歳まで、アメリカに一時的に住んでいました。父親の仕事の影響で、です。加えて、カナダに9か月ほど留学していた経験もあります。

また、小学校教員時代は、学年主任や自分のクラスの担任を務めながら、他学年の英語専門教員として週に4~6時間ほど英語を教えに行っていました。自分が受け持つ学年ではなくても、1年間で子どもたちの英会話スキルを磨き、学年平均で60往復ほどのフリートークができるようになったこともあります。

そんな学校教員として英語を教えた経験と、自身が物心つく前から英語に慣れ親しんでいた経験を元に、英語教育を始める最適な年齢、どのような手段で英語を勉強していくのがベターなのかを解説していきます。

人間の発達段階、脳科学など、様々な観点から根拠をもって分析していくので、読み終えたときには、何らかのヒントが得られることと思います。

英語学習をスタートするのは何歳が正解?

結論から述べると、4歳~6歳が最適です。その理由を、「脳の発達」「バイリンガル教育」「脳科学」の観点から説明します。

人間の発達段階による脳の成長

人間の脳の発達段階を簡単にまとめると、1歳ごろに、脳の内部の構成が成人と似てくるようになります。3歳には成人の80%の脳重量に成長し、5,6歳には成人の脳の90%程度まで脳が発達するのです。ちなみに、シナプスの数は5、6歳ごろがピークで、8歳から緩やかに減少していきます。

シナプスは、ニューロンと言われる神経細胞をつなげる電子回路のようなネットワークです。人の経験や学習を記憶し、変化していく。そのピークが5~6歳なのです。

脳の総重量が5、6歳には成人の90%まで発達することを考えると、5~6歳、もしくは4歳が、英語教育を始める時期として最適と言えそうです。

そもそも3歳までは、そのような「勉強」を重視すべきときではありません。「三つ子の魂百まで」と言われるように、まずは人間としての人格の基盤になる、愛着や自己肯定感を育むことが最優先な時期なのです。

この「愛着」「自己肯定感」の過程を軽視すると、いくら勉強をしても、まるで身に付かないような人間に成長していってしまいます。もしくは、勉強したことを正しく使うことができない、つまり、周囲の人を幸せにすることよりも、貶める手段として使ってしまう人間になってしまう可能性があります。

子どもの都合を考えずに親の都合で振り回していると、幼い内は大丈夫だとしても、小学校高学年、中学生になったときに必ずしっぺ返しを受けます。

まずは親が子どもの安全基地としての機能を果たした上で、しつけやルールを4歳ごろから取り入れる。その後、もしくは、同時並行で、英語学習を取り入れていくとよいでしょう。優先順位としてはしつけの方が重要なので、バランスを取りながら、です。

バイリンガル教育の実態

『シリコンバレー式世界一の子育て』という書籍があります。著者の中内玲子さんは、台湾生まれ、日本育ち、アメリカ在住のトリリンガル。2011年にアメリカのカリフォルニア州認可の日英バイリンガル幼稚園を設立している人物です。

著者が運営する幼稚園では、入学して短期間で、バイリンガルとして複数言語を使って会話をするようになると本の中で述べています。その期間は3か月。わずか3か月で、英語を話す脳が育ち始めるのです。

著者によると、バイリンガルなどの多言語教育は、小学校に上がる前、できれば外国語に抵抗を感じ始める4歳より前に始めた方が、複数の言語を楽に身に付けることができるそうです。ただし、「耳育て」、つまり、リスニングに関しては、早ければ早いほどいいと述べています。0歳からでも大丈夫なようです。

幼いころに他言語に慣れ親しむことの是非は、筆者の経験を思い返してみても「意味がある」と言えます。

筆者は2歳から5歳までアメリカのケンタッキー州に住んでいました。日本人も多くいる居住区ではあったので、話す言語はほとんど日本語だったと思います。ただ、現地の友達もいましたので、英語でもある程度、意思疎通はしていたのでしょう。しかし、長期的に教育機関に通っていたわけではないので、日本に帰った後は、あっという間に英語を忘れてしまいました。

海外での生活のことなどすっかり忘れた大人になった頃、大学卒業後に、突然海外留学することを決めます。そのときのTOEICの点数はなんと約250点。平均点よりもはるかに低い状態だったことを覚えています。

留学に行く半年前ぐらいから英語を勉強し始め、カナダに留学。9か月の滞在を経て日本に帰ってきました。帰国後、空港に迎えに来ていたアメリカ人の友達から「ちょっとしゃべってみてよ。」と言われ、英語で会話をしてみると「9か月でここまでいくのはすごい!」と驚かれました。ちなみにこの友人の日本語は、日本人よりも上手なレベルで、他にもスペイン語、タイ語、中国語など5か国語以上を話せる人物です。

TOEICも受け直してみると、750点を超えていました。幼い頃に英語や他文化社会に触れていた経験が、上達に拍車をかけたのだと思っています。お陰で、英語を聞き取ったり、発音よく話したりすることは、スムーズに馴染むことができました。

日本の学校教育では、英語教育が小学3年生から始まります。しかし、4年生、5年生、6年生となるにつれて、どんどん大勢の前で話すことを遠慮するようになり、「話したい」よりも「恥ずかしい」の気持ちが上回るようになってしまいます。

小学校から英語教育がスタートした分、中学の内容はかつての高校で習う内容が下りてきているので、非常に難易度が高いです。テストのために攻略する勉強となってしまい、「話す練習」どころではありません。

だからこそ、早いうちから英語の「耳育て」を行い、4~6歳頃から英語教育を始めていくことは、極めて合理的、かつ、効果的であると言えるでしょう。

知識記憶と経験記憶

脳が記憶する情報には、発達段階による優先度の変化があります。子どもから大人になる過程で、最も早く発達するのが方法記憶、その次が知識記憶で、一番遅れて発達するのが経験記憶です。

方法記憶とは、簡単に言えば「体で覚える記憶」。箸の持ち方、自転車の乗り方など、一度覚えたらほとんど忘れることのない記憶です。

対して知識記憶、経験記憶は「頭で覚える記憶」と言えるでしょう。知識記憶は、何かきっかけがないとうまく思い出せない情報を司る記憶、つまり、テスト勉強などの記憶のことを指します。経験記憶はその名の通り、自分の過去の経験が絡んだ記憶のことを意味します。

この知識記憶と経験記憶、中学生ぐらいまでは、知識記憶がよく発達していきますが、その年代を過ぎると、経験記憶が優勢になってくると言われています。

そして、幼児期、小学校4年生ごろまでは、論理的なことよりも、かえって意味のない情報に関して驚異的な記憶力を示します。2年生で学習する九九がいい例ですし、筆者も百人一首や名作文学、古文、漢文の暗唱を低学年に取り組ませたことがありますが、凄まじいスピードで記憶していったことを、経験から知っています。

つまり、英語教育のような、意味は分からずとも、覚えて使っているうちに身に付く学習は、幼児~小学校中学年までの間に行った方がよいのです。小学校高学年になると「なぜそれをやらなければならないのか。」「自分は英語を使う仕事に就くつもりはないから、話す勉強をする意味はない。」といった現実世界とリンクさせた思考が入ることがあります。そうなると、個々のモチベーションに差が出てしまうことになるでしょう。

4歳から始めるおススメの英語教育の方法

楽しく遊びの中で英語を使わせる

3歳までは自己肯定感や愛着を重視して育てる時期であることを述べました。この2つが最重要事項ですが、それ以外にもこの時期に育つ力があります。それが非認知能力です。

非認知能力とは、テストの点数といった指標で測ることができない、人間の気質や性格のような力です。自己肯定感がその最たるもの。その他にも、「好奇心」「思いやり」「失敗しても立ち直る力(レジリエンス)」「最後までやり抜く力(グリット)」「創造力」といった、いわゆる「生きる力」と言える数々の力が、非認知能力としてあげられています。

この力は、子どもの気持ちを尊重し、様々なことに挑戦させたり、一緒にたくさんの体験をしたり、存分に遊びに集中させたりする中で育っていきます。親の都合を優先するのではなく、です。

幼少期に徹底的に遊んだ子どもほど、語彙力が伸びるという調査結果が出ている社会実験もあります。結果的に、たくさんの遊びや体験を通した子どもの方が、将来返ってくるリターンは大きいのです。

だからこそ、この時期に「英語を教え込む」ような行動を取ることは避けなければいけません。子どもの自然に湧いてくる「知りたい」「やってみたい」という気持ちを優先するのです。その上で、子どもが遊んでいるときのコミュニケーションの言語を英語にすることがベストです。つまり、英語を勉強するのではなく、英語を使って、別の何かを学んだり、遊んだりするのです。

英語を使う人、日本語を使う人を分ける

幼少期に英語ばかり使っていては、日本語の発達が遅れることになりかねません。さらに、1人の人間が日本語も英語も使っていては、何が日本語で何が英語なのかが分からなくなってしまいます。だからこそ、人間によって役割を分けるのです。

先述した、シリコンバレーのバイリンガル幼稚園では、日本語を話す保育者と英語を話す保育者が分かれています。両方の保育者が、2つの言語に触れる機会をたくさんつくり、自然と身に付くような工夫が行われているのです。

「遊びたい!」「おやつを食べたい!」でもそのためには、英語で自分の意思表示をしなければいけない・・・。そのような必然性が生まれる中だからこそ、生活をするために英語を覚えていくことができるのでしょう。

生活の中で覚えた言語というものは、忘れにくいものです。例えば、「Go ahead.」という英語があります。

「バスに乗車するとき、他の乗客とはち合い『Go ahead.』と言われ、先に乗るようにジェスチャーをされた。」「エレベーターから降りるときに、開くボタンを押している人から『Go ahead.』と言われ、先に出るようにジェスチャーをされた。」

この2つの場面から、「Go ahead」は「どうぞ」という意味であることが推測できると思います。そして、同じようなシチュエーションに出会ったとき、「Go ahead.」と言われると、ほぼ間違いなく意味を思い出せるはずです。このように複数のエピソードで覚えた記憶は忘れにくいのです。

筆者も、留学を終えて日本に帰ってきてからは、ほぼ、日常生活で英語を使いません。しかし、10年以上経っていても、外国の人と出会うと英語で話すことができます。単語の多くは忘れてしまうのですが、生活のために覚えたフレーズは忘れないのです。

ただ、保護者が英語を話すことができない中、家庭で1人1言語を行うことは、無理があります。そのような場合は、インターナショナルスクールとまでは行かなくても、英語で預かる学童保育のような事業を利用してみるのもよいと思います。

ただし、強制することなく、子どもの意思を尊重することが何よりも大事です。嫌がっているのに、強制的に預けてしまうと、お子さんの人格形成に悪影響が出てしまう恐れがあります。だからこそ、保護者が楽しく英語を学んでいる様子や、海外文化に触れる経験など、自然と興味を抱く機会を提供していくことは、大切になってくるでしょう。

家庭で楽しくできる英語学習

筆者は、小学校教員時代、3年生や6年生の英語を教えていました。1年間を通して、様々なアプローチをしていく中で、3年生でも6年生でも40往復~80往復と英語を話せるようになっていきました。その中で、家庭でもできる活動をお伝えします。

英語カルタ

どの年齢でも、毎回楽しんで取り組み、確実に効果があった活動、それは「カルタ」です。カルタはどのような年齢の子どもでも取り組むことができ、ゲーム性があり、かつ、自然と単語を覚えていくことができます。

このゲーム性というものが大切です。人間の脳は、感情が動くときにシータ波といった脳波が出たり、偏桃体が刺激されたりします。両者は少ない刺激数で長期記憶に記憶を送る特徴があります。

「カルタで勝ってうれしい」、「負けて悔しい」といった感情を抱くことで、より内容を覚えやすくなるでしょう。英語カルタは、百人一首とは違い、文字があまりなくイラスト重視です。英語を話せない親御さんでも取り入れやすく、低年齢のお子さんでも取り組むことができる教材です。

フラッシュカード

英語の授業で頻繁に使用していたのが、フラッシュカードです。フラッシュカードは「状況設定フラッシュカード」と「単語のフラッシュカード」の2種類を使っていました。

状況設定フラッシュカードとは、「How many?」「How are you?」「Which do you like?」といった、小学3~5年生で習う基礎的なフレーズをフラッシュカード化したものです。「英語はシチュエーションで覚えると忘れづらい」という原則を応用した教材と言えます。

これを「聞く→リピート→役割に分けて言う→役割交代→友達とトーク」といったように、徐々に負荷を高くし、最終的には自分で活用できるようにします。筆者は、「正進社」から出ているものを使用していました。使用方法を動画で閲覧することができるので、初心者の方でもおススメです。

また、単語をフラッシュカード化していました。筆者は、カルタのカードを拡大印刷して、フラッシュカードにしていました。同じ絵面の方がカルタにも取り組みやすくなりますし、カルタに出てくるものだから、より覚えようとするからです。

フラッシュカードは、「2回リピートで一巡→1回リピート→自分たちで言わせる→シャッフルしてランダム→チームバトル」のような形で行っていました。

毎回の授業につき、4~6枚程度のフラッシュカードです。定着したら次の4~6枚と繰り返していき、1年間で100以上の単語を扱っていたと思います。週1~2回の英語の授業で、この単語数です。頻度を上げれば、もっとたくさんの単語を覚えることができるでしょう。

耳育て

英語を聞き分ける能力を養うために「耳育て」を家庭で行うこともできます。幼いころから英語を聞かせて英語に慣らせておくのです。これは胎児のころから行ってもよいとバイリンガルスクールの設立者は述べています。

英語の歌を聞かせたり、子どもが好きなディズニー映画を英語音声で見せたりと、英語を聞き分ける耳を育てることで、発問の流暢さの基礎を養うこともできます。

ただ、やりすぎは禁物です。本来は、日本語の言葉をたくさん浴びせる時期ですので、お子さんにとって、負荷があまりかからないバランスで行う方がよいでしょう。

まとめ

この記事をまとめると

英語学習は4~6歳から始めるのが最適

英語を学ぶのではなく、遊びや日常生活を英語で行うことによって身に付く

英語しか話さない人がいるという環境が大切

楽しく取り組むことができることを優先していく

となります。

例え、幼少期に英語を使い始めても、それを持続させるのはとても困難なことです。英語で預かる学童保育のような環境でなければ、なかなか英語を使う必然性を生み出していくことは簡単ではなくなってくるはずです。

成長していくにつれて、優先順位も変わります。友達と遊びたいでしょうし、ゲームもしたいでしょう。他に始めたい習い事が出てくるかもしれません。

ただ、幼少期に養った感覚は決して無駄にはならないと思います。現に筆者は、完全に忘れてしまった英語を、通常よりも早いピッチで覚えることができていたそうですから。

そして、もし、自分の意思で英語を勉強していきたいという気持ちを持ち始めたら、それを応援していけばよいと思います。小学校高学年、中学生になれば、集団で英語習うような教育事業よりも、オンライン英会話のような個別レッスンを行うことをおススメします。

ネイティブではないかもしれませんが、値段も相対的に見て安いですし、世界では、ネイティブな英語がむしろ少数派なのですから。オンライン英会話を3年も続ければ、もはや留学の必要もなく、海外で堂々と英語を使って生活するレベルにもっていくことができると思います。

「英語を話すことができる」ことは海外に行く自信につながります。今は日本人が海外に出稼ぎに行く経済状況になってきました。10年後、20年後はどうなっているか分かりません。しかし、「海外に行くことができる」選択肢をもっていると、そのチャンスが来たときに選ぶことができます。人生の幅が広がり、豊かさをより感じることができるでしょう。

筆者が英語の授業でどのように子どもたちに教えていたのかは、別の記事にも書こうと思いますので、興味がある方はそちらもご覧ください。

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